第29回大会の記録

第29回大会の記録

戦後70年憲法をいかし格差のない公正な社会を
第29回日本高齢者大会in和歌山に5,100人「戦争あかん!9条守れ!!」
第29回日本高齢者大会in和歌山 中央・和歌山実行委員会

 「まちから村からの連帯でひとりぼっちの高齢者をなくそう」「戦後70年憲法をいかし 格差のない公正な社会を」をテーマに第29回日本高齢者大会in和歌山は、9月15・16日と2日間にわたって開かれました。第1日目の15日は、会場の和歌山大学で、41の学習講座・分科会・シンポジウム・移動分科会・和歌山学・交流が行われました。第2日目の16日は、和歌山県民文化会館を会場に全体会。「海南民商太鼓 ひびき」の歓迎の太鼓。司会は出野孝道さん(医療福祉生協連)と中谷弘子さん(新日本婦人の会和歌山県本部)。大会直前の豪雨で被災された方々へのお見舞いと連帯が述べられた後、開会が宣言されました。中谷吉治・和歌山県実行委員会委員長が歓迎のあいさつを述べ、藤末衛・中央実行委員長の主催者あいさつを岸本啓介さん(民医連)が代読しました。

 来賓からのごあいさつと紹介されたメッセージでは、共通して大会成功への期待が表明され、特に戦争法案の採決がひっ迫した中で行われた今大会の意義が強調されました。

 つづいて鐘ケ江正志・中央実行委員会事務局長が基調報告。このあと会場となった大ホールと小ホールを埋める参加者が交流。ブロックごとに紹介されました。そして、安斎育郎さんが記念講演。「『平和』とは暴力のない状態、暴力には直接的暴力・構造的暴力・文化的暴力があるという理解が広がりつつある。直接的暴力としての戦争を防ぐために憲法の意義を考え、これから私たちがどう生きていくかを考えよう。私たちは微力だが無力ではない」と、難しい問題をユーモアを交えながらわかりやすく話され、大変な盛り上がりでした。


▲参加者たちの様子


▲記念講演をする安斎育郎さん


▲「じぃじばぁば大好き」の可愛らしい歌声


▲「9条守れ(赤)」「戦争あかん(青)」の
プラカード

 地域報告は福島県・福島県高齢者運動連絡会の伊藤洋さん、沖縄県・沖縄医療生活協同組合の名嘉座安子さんが行ないました。「じぃじばぁば大好き」の可愛らしい歌声に続き、多田重正さん(全日本民医連)からカンパの訴えがあり、フラダンス、合唱、りら創造芸術学園の皆さんの歌とダンスなど多彩な舞台が繰り広げられました。山元美奈子さん(新日本婦人の会)から大会決議案が提案され、拍手で採択されました。最後に、大会旗が和歌山県実行委員会から次の開催地 東京高齢期運動連絡会に引き継がれ、壇上の東京の皆さんを代表して金子民夫・東京高齢期運動連絡会会長が決意表明。大森米三郎・和歌山県実行委員会副実行委員長の閉会あいさつで幕を閉じました。


▲大会旗が和歌山から次の開催地 東京へ


▲東京代表の決意表明

大会決議

 安倍政権は、国民の8割が「説明不足だ」「今国会で成立させるべきではない」としているにもかかわらず本日参議院特別委員会の質疑を打ち切り、戦争法案を強行採決しようとしています。日本高齢者大会の参加者一同は、この暴挙に怒りを込めて抗議します。

 この間国民の世論は大きく広がり、これまで政治には消極的と言われていた若者や高校生もたちあがり、戦争によって青春時代を奪われた高齢者が「二度と戦争はごめん」と戦争法案反対を呼びかけています。8月30日の12万人の国会包囲行動行など「安倍内閣による平和と民主主義への戦後最悪の攻撃許すな!」と、全国津々浦々で史上最大の運動が広がり続けています。一方安倍政権は、安心できる老後を破壊する社会保障制度の改悪を推し進めています。昨年4月からの消費税8%への増税、年金の削減、「医療・介護総合確保法」による医療費の自己負担増や介護保険料の値上げなどが、高齢者のくらしを直撃しています。また、国がすすめる「地域包括ケア」は、自助、共助が基本とされ「高齢者の介護は本人と家族でやるべきこと」として国の責任を放棄するものになっています。

 日本中の原発稼働ゼロは700日続きました。原発がなくとも電力は足りています。ところが未だに10万人以上の人が見通しのつかない避難生活を続けている東京電力福島第一原子力発電所事故の現実に目を背けたまま、川内原発が再稼働しました。こんな人命軽視、民意無視の政治は許せません。

 私たち高齢者は、あの悲惨な戦争体験と戦後の厳しい生活の中で「戦後70年憲法をいかし、格差のない公正な社会を」をかかげ、「戦争をする国」にさせないために以下の行動に取り組みます。

  1. ① 積極的に戦争と戦後の体験を語り、引き続き戦争法案反対の世論を広げます。
  2. ② 年金、医療、介護など高齢者のくらしの実態を明らかにし、多彩な要求実現運動に取り組みます。
  3. ③ 全国各地で高齢者の願いを実現するため地域連絡会づくりをすすめます。

以上決議します。

2015年9月16日

第29回日本高齢者大会in和歌山